長期金利とは。短期金利との違いや変動の要因をわかりやすく解説

この記事のライター:宮島ムー

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長期金利とは、期間1年以上の金融資産の金利のことです。長期金利は需要と供給のバランスによって変動します。ここでは「金利とは何?」という基礎知識から、長期金利が変動する要因、長期金利の現状について解説します。


そもそも金利とは

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金利は、お金を借りるときの対価です。借田さんが貸野さんから1年後に返す約束で100万円を借りたとします。お金を貸している間、貸野さんは100万円を使って得られたかもしれない利益を取りこぼすことになります。この利益を補填するため、借田さんから貸野さんに支払う対価が金利です。

もしも借田さん以外にも借りたい人がいたら(需要の増加)、高い金利を払ってもお金を借りようとするため、金利は上がります。また、貸野さんしかお金を持っていない状況であっても(供給の減少)、みんな貸野さんからお金を借りたがるので金利は上がります。

逆に、貸野さん以外にも貸したい人がいたら(供給の増加)、「自分から借りたほうがお得に借りられますよ」という競争が起こって金利が下がります。借田さんしかお金を借りたい人がいない場合も(需要の減少)、金利は下がるでしょう。このように金利は需要と供給のバランスによって変動します。

金利はしばしば利率で表されます。先ほどの例で、金利が年1%だとしたら、1年後の金利は1万円です。つまり、借田さんは貸野さんに対して、借りていた100万円と金利1万円の合計101万円を支払うことになります。


長期金利と短期金利の違い

長期金利と短期金利の大きな違いは期間です。
長期金利:1年以上の金融資産の金利。代表例は10年物国債。
短期金利:1年未満の金融資産の金利。代表例は政策金利。

長期金利はどうやって決まる?

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短期金利は日本銀行の金融政策によってコントロールされているのに対し、長期金利は需給バランスや短期金利の推移、物価の変動などさまざまな要素で変動します。中でも関係が深いと考えられているのが、国内景気、国内物価、為替、海外金利の4つです。


国内景気(景気の上昇→金利の上昇)

好景気のときは個人の消費意欲が増します。企業はそれに応えるべく、設備投資や生産体制の増強を行うため、金融機関から借り入れを行います。その結果、借り手が多くなって金利が上がるという仕組みです。逆に景気が悪くなると、資金需要が減って金利が下がります。


国内物価(物価の上昇→金利の上昇)

物価が上がることはお金の価値が下がることです。消費者はお金を持つよりも物を持つほうが、価値があると考え、消費活動を行います。その結果、貯蓄という資金の供給が減ることから金利が上がります。


為替(円安→金利の上昇)

円安ドル高が予想されるときには、手持ちの日本円をドルに換える人が増えます。すると資金供給が減ることから、金利が上がります。


海外金利(海外金利の上昇→国内金利の上昇)

例えば米国金利が上昇すると、日本の投資家は米国の債券を買います。すると日本の債券の買い手が減ることから、国内金利も上昇します。


長期金利と株価の関係

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