摂取カロリーの呪縛。年齢と性別と体重とカロリーの本当の関係とは

毎日の健康管理はどのように行っているでしょうか。身近な方法としてあげられるのが、食事と体重のチェック。今日の体重はどれくらいかを確認し、 どのようなものをどれだけ食べればよいか考えます。そこで問題となるのが、目標をどう設定するかという点。自分の年齢における適正体重や、 カロリーの摂取方法についての考え方を確認しておくことが必要です。 ここでは厚生労働省が公表している『日本人の食事摂取基準』をもとに、適正体重とカロリーの摂取方法についてみていきたいと思います。

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摂取カロリーが多い=太る の呪縛
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健康のために太り過ぎはよくないということで、摂取カロリーに注目することがあります。食べ物にはカロリーがあり、 栄養素ごとに1g当たりのカロリーが異なることをご存じの方も多いでしょう。三大栄養素について確認しておくと、 たんぱく質では1gで4kcal、脂質では9kcal、炭水化物4kcalのエネルギーとなります。肉を何g食べるか、 植物油を何g使うか、パンを何g食べるかといったことから摂取カロリーを計算して、コントロールすることが可能です。 お店で購入するお弁当にもカロリーが表示されていることがあります。

太り過ぎないようにしたいと考えるとき、摂取カロリーと同時に注目したいのが消費エネルギーです。 人間の消費エネルギーは、基礎代謝、食事誘発性熱産生、身体活動量と大きく3つに分類できます。 24時間で消費するエネルギーの割合をみると、生命活動を維持するため、自動的に活動する基礎代謝が約60%、 食べ物を消化・吸収する活動による食事誘発性熱産生が約10%、運動や仕事などの身体活動量が約30%という割合を占めています。 こうした消費エネルギーの量は、個人の体格や活動量によって差が出るため、注意が必要となるのです。

厚生労働省が5年に1度改訂する『日本人の食事摂取基準』では「健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギー及び栄養素の量の基準」 を定めています。2010年版までは「推定エネルギー必要量」として、年齢・性別・活動レベルによって細かく必要なカロリーの量を表示していました。 この数字をみながら摂取カロリーが多すぎるかどうかを判断していたということです。ただこの数字は個人の体格差が反映されていないため、 2015年版からはBMI(Body Mass Index)と呼ばれる、体格指数を重視するようになりました。

適正体重とは。何が適正なのか
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BMIは、身長と体重からその人の肥満度を計算する指数です。体重(kg)を身長(m)の2乗で割ることで計算できます。 たとえば体重が50kgで身長が160cm(1.6m)の場合、計算式は「50÷1.6^2」。計算すると約19.5となります。 2015年版の『日本人の食事摂取基準』では、BMIについて年齢別に「目標とするBMIの範囲」が定められていて、次の表のようになっています。
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目標BMIの範囲は、わかりやすく言うと「病気にかかりにくい体重」の範囲です。『日本人の食事摂取基準』では、 「観察疫学研究において報告された総死亡率が最も低かったBMIを基に、疾患別の発症率とBMIとの関連、死因とBMIとの関連、 日本人のBMIの実態に配慮し、総合的に判断し目標とする範囲を設定」と説明されています。表をみると上限は一律24.9となっていますが、 下限は年齢が上がるごとに高くなっています。これは虚弱の予防に配慮したものだそうです。この目標値が健康を重視していることがわかります。

健康的なBMIの範囲が定められている場合、ここから自分の適正体重を計算するにはどうすればよいでしょうか。たとえば身長が160cm(1.6m)で、 目標のBMIを22とすると、目指すべき体重は「22×1.6^2」。つまり約56.3kgと計算できます。方程式を解くのと同じ要領です。

つまり健康的な体重を目指す場合、目標とするBMIと自分の身長から適正な体重を求めることが必要です。そこから今よりも痩せたい・太りたいという状況に応じて、 摂取カロリーや消費エネルギーをコントロールすることになるでしょう。


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