再婚禁止期間とは。女性が知っておきたい離婚から再婚までの道のり
離婚に至る理由は様々で、もうしばらく再婚する気なんて起きないという人もいると思います。一方で子供を養いながら1人で暮らしていくのは苦労が多いですし、再婚を前提に離婚するケースも決して珍しいことではありません。しかし、民法に「再婚禁止期間」という制度が定められている注意が必要です。再婚禁止期間がどのようなものであるかを理解し、スムーズに再婚できるようにしましょう。
民法733条には「女性は離婚後100日間再婚ができない」旨の規定があります。
これがいわゆる「再婚禁止期間」です。明治時代の民法がベースになっている規定で、
2016年6月に民法が改正されるまでは、この期間が180日となっていました。
この規定は、離婚後300日以内に生まれた子供は前夫の子、再婚後200日を過ぎて
生まれた子供は現夫の子と推定すると定めている民法772条と関係します。
仮に離婚後すぐに再婚することが可能だとすると、離婚後300日以内に子供が生まれた場合、
前夫も現夫も法律上の父親になってしまい不都合が生じます。こういった問題を防ぐ目的で
設けられているのが再婚禁止期間の規定です。
他の先進国を見ると、アメリカ(一部の州を除く)、イギリス、オーストラリアなどでは
再婚禁止期間の規定がそもそも定められていません。そしてドイツは1998年、
フランスは2004年にそれぞれ再婚禁止期間を撤廃しています。
男性は離婚後翌日にでも再婚できるのに対して、このような規定があるのは男女平等の観点に反している、
DNA鑑定等の方法で判別ができる現代にはそぐわない、という批判もあります。
しかし、法律上の父親が確定しない事態になって困るのは何より子供です。
法律は子供の福祉を重視して作られているのです。
多くの女性が結婚を機に夫の戸籍に入り、夫の姓を使用していると思います。
このような場合、離婚すると、原則として結婚前の戸籍に戻り、姓も元に戻ります。
仕事の都合等で同じ姓を続けて使用したいときは、離婚成立の日から3カ月以内に
「離婚の際に称していた氏を称する届」という書類を提出しなければなりません。
また、離婚から2年以内に財産分与の手続きをする必要があります。
婚姻期間中の財産管理方法にもよりますが、住宅ローンを組んでいる等、
財産が多岐にわたるほど、話し合いにも時間がかかるでしょう。
子供がいる場合は、さらに注意が必要です。夫婦に未成年の子供がいる場合、
親権者を決めないと離婚届は受理されません。面会や養育費の取り決めをする離婚協議書の
作成もしておかないと、後々トラブルになります。
というのも、養育費を請求できる期間や金額、方法は、法律で決まっているわけではなく、
夫婦の協議によって決まるためです。
なお子供の両親が離婚しても子供の姓や戸籍は当然には変更されません。
母親が親権者となっても、子供は夫の戸籍に入ったままです。
子供の戸籍を母親の戸籍に入籍させるには、母親を筆頭者とした新しい戸籍を作り、
家庭裁判所に「子の氏の変更申立」をし、「入籍届」を提出する必要があります。