金利と株価はどう関係する?株価変動の要因や金利上昇時に気を付けることを解説

この記事のライター:黒川ヤスヒト

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2022年前半、株式市場に大きな動きが出ました。アメリカに注目すると、これまでコロナウイルスの感染拡大における景気対策として金融緩和を続け、株価は上昇していました。 しかし2021年後半から懸念され始めたのが、物価の上昇。2022年に入り、アメリカの中央銀行にあたるFRBは、物価が継続的に上昇するインフレの抑制を目的のひとつとして、政策金利の引き上げを決定しました。 これを要因として、アメリカの株式市場が値を下げているのです。ここでは金利を中心に、株価変動の要因を詳しく見てみましょう。


株価を動かす要因とは
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・「内部要因」と「外部要因」がある
企業の株価は、上がったり下がったりと変動します。 ある企業の株式を買いたいという投資家が多ければ株価は上がり、売りたいという投資家が多ければ株価は下がるといった具合です。 こうした株式に対する需要と供給のバランスは、いくつかの要因から影響を受けます。 株価を動かす要因は、大きく分けると2つあり、ひとつはその企業自身の業績や将来性といった「内部要因」、もうひとつが 企業を取り巻く環境としての金利・為替・景気・海外市場といった「外部要因」となります

内部要因としての企業業績は、決算書などで確認できます。 売上高や利益の動向を見て、企業の価値を判断します。 そのほか企業が示す将来的な計画やビジョンもそこに入るでしょう。 外部要因となる金利は企業の資金調達に、為替は輸出入における利益に影響を与えると考えられます。 景気が良ければさまざまな取り引きが活発に行われ、これも業績に影響します。 加えて、海外市場の動きが、日本の株価に波及することがあるので、海外投資家の動向にも注目が必要です。

ここからは金利を中心に、株価を動かす外部要因について詳しく見ていきましょう。



【外部要因1】金利
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・金利とは
個人や企業、銀行、政府といった経済主体は、お金の貸し借りを行います。 お金を借りた場合には、元金に利息を加えて返済します。 このような場合において、利息の元金に対する割合が「金利」と呼ばれるものです。 借り手から見ると、金利はお金を借りるためのコスト。 経済活動に影響を与える数字といえるでしょう。 個人であれば住宅ローンの金利などが気になるところです。 現在の日本においては、金利は市場で決まります。

市場で決まる金利には、大きく分けて「短期(1年以内)」と「長期(1年超)」があります。 短期金利の代表的な指標となっているのは「無担保コールレート翌日物」。 銀行や証券会社、保険会社といった金融機関が、無担保で借りて翌営業日に返済するというものです。 短期金利は身近なところだと、普通預金の利息や変動型住宅ローンの金利などに影響します。

長期金利の指標となっているのは「10年物国債」の流通利回り。 国債は国が発行する債券です。発行された後、金融機関などが参加する市場で取り引きされることになります。 この流通過程では国債の売買価格が変動することで、利回りが変化します。 例えば100万円で国債を購入し、1年に1万円の利子が支払われるのであれば、利回りは1.0%。 1万円の利子がそのままで債券の価格が200万円に上がると、0.5%まで利回りが下がります。 長期金利は、長期の固定金利ローンなどに影響します。

・金利が低下すると
資金を借り入れる際のコストとなる金利。 これが低下すると、企業は資金を借りやすくなり、設備投資など事業の拡大が可能となります。 低コストでお金を借りることができるので、お金を借りて投資しても、利益を出せると判断できるケースが増えるのです。 事業が拡大できれば、企業自身の売り上げが増えたり社会全体の景気が良くなったりする可能性があり、 株価を上げる要因となるでしょう。

・金利が上昇すると
逆に金利が上がると、資金の借り入れに二の足を踏む企業が増えると予想できます。 資金を借りて投資したとしても、金利以上の利益を出せる見込みがないと判断するケースがあるからです。 事業拡大が見込めず、経済が全体的に不活発になり、 株価を下げる要因と考えられます



【外部要因2】為替
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為替レートの状況も、株価に影響を与えます。 影響を受けるのは、輸出や輸入を行う企業の業績です。 為替レートの状況は、円高ドル安・円安ドル高のように、円とドルの関係で表現することが多くなっています。

輸出企業の場合を見てみましょう。例えば1ドル100円の状況だと、1万ドルの商品を海外で販売し、売り上げを円に戻すと100万円になります。 これが1ドル130円、つまり円安ドル高になると、同じ1万ドルの商品を売っても、円に戻すと130万円と30万円増えるのです。 つまり円安ドル高の状況は、輸出企業の業績をあげる要因となり、株価を押し上げる可能性があるということです。 海外で値下げをして、シェアを伸ばすという戦略も取れるかもしれません。

一方で、円安ドル高は、輸入企業にとっては不利な条件となります。 1ドル100円の時、1万ドルの商品を輸入するには、100万円を1万ドルに変えて代金を支払います。 これが1ドル130円になると、同じ1万ドルの商品を購入するためには、130万円が必要となります。 円建てでの支払い代金が増えるため、業績にはマイナスに働き、株価を下げる要因となる可能性があります。 逆に円高ドル安だと輸出企業にとっては不利に、輸入企業にとっては有利となり、業績への影響を通して株価に影響を与えます。



【外部要因3】景気
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