投資信託とは|選び方や仕組み、手数料など初心者にもわかりやすく解説
この記事のライター:黒川ヤスヒト
投資信託は金融商品のひとつです。投資家から集めたお金を、投資のプロが株式や債券、不動産で運用します。初心者にもおすすめといわれていますが、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは投資信託の仕組みや選び方、購入方法について、わかりやすく解説します。
投資信託とは
投資信託とは投資信託運用会社に所属する投資のプロ(ファンドマネージャー)が、投資家から集めたお金を運用する金融商品です。運用で得られた利益は、出資した投資家に分配金や償還金として還元されます。
ただし、投資信託では必ずしも利益が出るとは限りません。投資信託の価格は基準価額といい、1日1回更新されます(ファンドの休業日を除く)。売却時の基準価額が購入時よりも下がっていたら、元本割れしてしまいます。
投資信託の仕組み
投資信託は「販売会社」「運用会社」「信託銀行」の3つの機関によって成り立っています。
・販売会社(証券会社、銀行など)
投資信託を購入するときの窓口となる機関です。投資信託の販売や分配金・償還金の支払いをします。
・運用会社(委託会社)
投資信託を設定して、運用先を指図する機関です。
・信託銀行(受託会社)
資金の管理を行う機関です。運用会社の指図に従い、受託した資金で株式や債券を売買します。投資家から集めた資金は、自社の財産と区別して管理します。
投資信託と株式投資の違い
投資と聞くと、株式投資を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、投資信託も株式投資と同様、安いときに買って高いときに売れば利益が得られる投資のひとつです。その一方で、投資信託と株式投資では異なる点も多くあります。
【最低投資金額】
基本的に株式投資では株価×最低単元数からの購入になるため、投資をするためには数万円~数十万円が必要になります。これに対し投資信託は、証券会社によっては100円から購入可能です。
投資の鉄則は分散投資といわれています。複数の銘柄に投資することで、リスクを減らす方法です。ひとつの企業が倒産してしまっても、ほかの企業が業績を伸ばしていれば、損失を補うことができます。株式で分散投資しようとすると多額の資金が必要になりますが、投資信託なら少額から購入できるため、少ない資金で分散投資が可能です。
【指数に連動したパフォーマンスが得られる】
TOPIX(東証株価指数)は、東京証券取引所に上場する銘柄の値動きをもとに算出される指数です。極端な話、TOPIXを構成する株式をウエイトどおりに購入すれば、TOPIXと同じ値動きが得られるでしょう。しかし、そのためには多額の資金が必要です。
一方、TOPIXに連動する投資信託を選べば、少ない資金でTOPIX全体に投資したのと同様の効果が得られることが期待できます。
【手数料】
株式は自分で運用するため、手数料がかかるのは売買時だけです。約定金額によっては売買手数料が無料ということもあります。
一方、投資信託はプロに運用してもらうため、信託報酬がかかります。手数料という形で別途支払うことはありませんが、日々の基準価額に手数料が反映されています。信託報酬は投資信託ごとに異なるため、購入時にチェックすると良いでしょう。
【株価と基準価額】
株式の価格は株価、投資信託の価格は基準価額といいます。株価は市場がオープンしている時間にリアルタイムで変動しますが、基準価額は1日1回決定されます。株式では「株価が○○円以下になったら買う」という指値注文ができますが、投資信託ではできません。その一方で、投資信託は「○○円分購入」という金額買付ができます。
投資信託のメリット
投資信託は初心者におすすめといわれますが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
【少額からはじめられる】
先述したように、投資信託は販売会社によっては100円から購入できます。投資は余裕資金から行うのが鉄則です。積立をする場合も毎月100円や1,000円など、無理のない金額で続けるといいでしょう。
【分散投資がしやすい】
投資信託は株式に投資するもの、債券に投資するもの、不動産に投資するものと、さまざまな種類があります。株式ひとつとっても、国内株式、先進国株式、新興国株式、欧州株式、米国株式など、投資先は多岐にわたっています。株式投資では国内株式に銘柄が偏りがちですが、投資信託なら多くの投資先から選択できます。
【長期投資に向いている】
投資では投資先の分散だけでなく、期間の分散も重要です。同じ投資信託でも、今購入するのと2年後に購入するのとでは基準価額が変わっているでしょう。長い期間をかけて同じ金額ずつ積み立てていくことで、安いときには多く、高いときには少なく購入することができ、リスクの分散につながります。