児童扶養手当(母子手当)について|支給額や所得制限などの条件をわかりやすく解説
この記事のライター:まきあん
ひとり親家庭で受給できるのが、児童扶養手当(母子手当)です。収入が少なくなりがちなひとり親世帯では、児童扶養手当が家計の助けになります。受け取るには所得制限など条件が定められているので、条件からはずれていないかどうか、あらかじめ確認しておきましょう。ここでは、児童扶養手当(母子手当)の支給額や所得制限などの条件、申請方法や注意点について解説します。
児童扶養手当(母子手当)とは?
児童扶養手当は、両親の離婚・死別などの理由によりひとり親となった家庭に支給される手当です。母子家庭の母や父子家庭の父、または父母の代わりに子供を養育している人に支給されます。 児童扶養手当は俗に母子手当とも称されています 。母子手当と呼ばれていることからもわかるように、以前は母子家庭のみが対象でした。しかし、児童扶養手当法の改正により平成22年8月から父子家庭にも支給が拡大されました。シングルマザーだけでなくシングルファザーも受け取れる可能性があるため、受給要件を確認しておきましょう。
「児童手当」と「児童扶養手当」は全くの別物!
「児童扶養手当」とよく似た名前の手当に「児童手当」があります。名前は似ていても、内容は全く異なる手当です。両者はそれぞれ以下のような手当です。
● 児童手当:0歳から中学校卒業までの子供を養育している家庭に支給される
● 児童扶養手当:ひとり親家庭に支給される
ひとり親家庭の場合、要件を満たしていれば児童手当と児童扶養手当の両方を受給することができます。
それぞれの手当の概要を表にまとめました。
児童手当と児童扶養手当の概要
内閣府|児童手当制度のご案内: 子ども・子育て本部
厚生労働省|児童扶養手当について
児童扶養手当のほうが支給額は高額ですが、所得制限の収入の目安は低めです。全部支給の所得制限を超えると、所得によって支給金額が減っていきます。
児童手当では、所得制限限度額を超えると特例給付となり児童1人当たり月額一律5,000円が支給されていました。しかし令和4年10月支給分より、所得上限限度額を超えた場合は児童手当と特例給付はどちらも支給されません。
児童扶養手当はどんな人がもらえる?
児童扶養手当を受給できるのは、対象の児童が歳に達する日以後の最初の3月31日まで(中度以上の障害を有する場合は20歳未満)の年齢で、以下のいずれかに当てはまる場合です。
● 父母が離婚した
● 父または母が死亡した
● 父または母が重度の障害を有する
● 父または母が生死不明
● 父または母に1年以上遺棄されている
● 父または母がDV保護命令を受けている
● 父または母が法令により1年以上拘禁されている
● 婚姻によらないで生まれた
児童扶養手当が支給されないケース
次のような場合、児童扶養手当は支給されません。
●児童が里親に預けられている
●児童が児童福祉施設等に入所している
●児童が離婚した両親と生計を同じくしている
●児童が父または母の配偶者(事実上の配偶者を含む)に養育されている
●請求者または扶養義務者の前年の所得が一定以上ある
●請求者または児童が日本国内に住所がない
東京都福祉保健局 少子社会対策部育成支援課 児童手当担当児童手当|児童育成手当 児童扶養手当のあらまし
児童扶養手当にも所得制限があります。請求者の所得が限度額以上の場合は支給されません。所得制限については、のちほど詳しく解説します。
児童扶養手当を受け取っていて、もしこれらの支給されないケースに当てはまった場合は、自治体に資格喪失届の提出が必要です。届け出をせずに受給を続けていると、後から受給資格がなくなった月に遡って受給したお金を返す必要があります。不当に受給することのないよう速やかに届け出をしましょう。
考えられるケースとして、離婚後に別の人と事実婚状態になる場合などがあります。婚姻届を出していなくても、同居していたり生活費の援助を受けていたりする場合は事実婚とみなされ、受給資格がなくなるので注意しましょう。