投資の勉強方法がわからない、一歩踏み出せない人へ。元証券ディーラーのたけぞうさんに聞く、投資初心者の失敗回避策

この記事のライター:たけぞう

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子供や学生に金融リテラシーの授業が始まるなど、投資や資産形成は一部の特別な人がするものから身近なものへと変化してきました。しかし、大きな損害を出して資産を失ったり、詐欺に巻き込まれたりといった話もいまだに絶えません。そこで今回は、20年以上証券ディーラーとして活躍し、現在は個人投資家として活動しながら投資についての情報発信を行うたけぞうさんに、初心者が知っておくべき投資の失敗要因・対処法を伺います。


証券会社の勤務歴は約30年。現在はディーラーの経験を生かし個人投資家として活動

マネ活編集部:たけぞうさんのこれまでのご経歴をお聞かせください。

たけぞうさん: 1988年に証券会社に入社し、30年ほど働いてきました。入社後は、まず4年間、東京証券取引所で「場立ち」と呼ばれる手サインを使って売買注文を行う仕事を下積みとして経験しました。その後、20年以上証券ディーラーとして勤務したのち、個人投資家として独立しています。

マネ活編集部:いずれは独立しようと目指されてきたのですか?

たけぞうさん:目指していたのではなく、勤めていた証券会社が自主廃業することになったのを機に独立したという経緯ですね。

マネ活編集部:現在の活動内容についてもお聞かせください。

たけぞうさん:個人投資家として活動するかたわら、メルマガを書いたり、依頼を受けてセミナーやラジオに出たりしています。

投資はほぼ株ですね。日米の株がメインで、インデックス投資も少しだけやっています。証券ディーラーだったので、会社員時代も株しかやってこなかったことがあり、株メインのほうがいいかなと。

マネ活編集部:そもそも、証券会社に勤めようと思った理由は何だったのでしょうか。昔から投資や株に興味をお持ちだったのですか?

たけぞうさん:いえいえ、興味はありませんでした。当時は一般人にとっての株のイメージは今ほど良いものではなかったですしね。証券会社に入ったのは、学生時代の先輩が証券会社に入社したのがきっかけでした。

メルマガ・Twitter・セミナーなど、さまざまな場で情報を発信

マネ活編集部::先ほどもお話にあったように、メルマガやSNS、セミナーやラジオなど、さまざまな場所で情報発信に取り組まれていますが、発信を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

たけぞうさん:Twitterアカウントを作ったのは、ディーラー仲間が「情報が早いからやったほうがいい」と教えてくれたのがきっかけです。会社が休みである土日にあったニュースを週明けに会社で見られるよう、新聞の切り抜きを行うみたいにTwitterに情報をまとめ始めたのが最初ですね。ですから、最初は自分が見るためのものでした。

そこから朝のニュースを毎日更新するようになり、日経新聞の記事を少し書く機会があり、そういうところからフォロワーが増えていった感じです。

今はメルマガとTwitterがメインで、ブログは会社の若手スタッフ中心で回しています。メルマガを始めたのは、配信元の会社から「やってみませんか?」と声をかけていただいたのがきっかけ。セミナーやラジオも依頼を受けてやっているものばかりです。証券会社に勤めていたときの付き合いがあるので、そこから何かと依頼があるんです。

マネ活編集部::初心者から上級者まで、レベル感がさまざまかと思いますが、たけぞうさんはどの層に発信されているのですか。

たけぞうさん:メルマガは初心者向けですね。セミナーも初心者向けが多いですが、内容によって中級者向けの内容を盛り込むこともあります。主催者と打ち合わせをし、参加者からの質問に答えることもありますね。

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投資初心者にありがちな失敗要因は勉強不足

マネ活編集部::実際にご相談を受けることもあるとのことですが、たけぞうさんが見聞きする中で多い、投資初心者が陥りがちな失敗事例を教えていただきたいです。

たけぞうさん:とにかく情報収集の部分でしょうね。自分で何も勉強せず、掲示板やSNS、YouTubeなど、何かしらの情報ツールだけを信じて投資をしている人が多く見られます。もうひとつは、逆に勉強だけし続けていて実際に始められていないパターン。このどちらかかなと思います。

マネ活編集部::初心者が情報に惑わされずに投資していくには、どうしたらいいでしょうか。

たけぞうさん:まず、考え方の根本として、「株は企業を応援するもの」があると思います。もちろん利益を得るためにしている人が多いでしょうが、その根本にはこの考えがあるということですね。

ですから、まずは自分の好きな会社の株をひとつ買ってみてください。今は1株単位で買える株もありますから、好きな製品を出している会社、愛用品を作っているメーカー、または自分が働いている会社の株を買ってみてもいいでしょう。好きな会社、関係のある会社なら興味も湧くでしょうから、経営状況を調べるのも苦になりにくいと思うんですね。

私なら、「ここの会社は黒字なのか、赤字なのか」を確認します。それで、赤字じゃなければいいと思っています。決算書のすべての内容を読むに越したことはありませんが、なかなか難しいことですので、せめて黒字か赤字かは自分で確認し、今後の動きを決めていきましょう。人の意見に左右されるより、自分で勉強して決算を見て決めるほうが断然経験になりますよ。

あと、リスクがあるものだと理解しておくこと。株はリスク商品ですから、常にすべてがプラスにはなりません。そこで、損したときにも納得した損の仕方ができる方法を考えておきましょう。損をしても配当があるとか、優待があるとか、保有し続ければいつか取り返せるとかですね。

マネ活編集部::おすすめの勉強方法はありますか?

たけぞうさん:自分でやってもいいですし、投資家仲間が集って行う勉強会に参加してもいいでしょう。私は土日に1,500円ほど払って勉強するセミナーに参加していますが、そこには会社のIR担当者が来ることもあるんです。みんなで話し合うことは学びになりますよ。ただ、ある程度自分で勉強をしておかなければ話に付いていけないんですね。まずは自分で調べてみて、銘柄をピックアップしてみて、場に臨んでいただければと思います。

マネ活編集部:好きな会社の株以外に、初心者に適している株はあるのでしょうか。




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